首都圏マンション市場 2020年8月
不動産経済研究所の⽉次データの発表です。
⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で▲8.2%の1,669戸でした。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は68.5%で先月より上昇しましたが、好不調の分かれ目と⾔われる70%を2か月連続で下回りました。1⼾当たり価格は6,011万円、㎡単価は93.3万円でそれぞれ前年同⽉⽐▲6.2%、+4.2%となりました。
数量、価格(単価)は下落、価格(総額)は上昇です。
5月25日の新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除以降、経済活動は徐々に回復しており、マンションショールームも来訪者が増えているようです。
日本経済の直近の動向を見ると、インバウンド景気を牽引してきた訪日外国人旅行者は8月は▲99.7%でわずかに改善したものの以前厳しい状況です。ただ、飲食店・宿泊業者などはビジネスモデル転換の試みなどもあり、自粛疲れによる人手の回復も相まって需要は全面的とはいえなくとも徐々に回復に向かっているようです。
契約率は70%をわずかに下回っていますが、先月よりは回復しています。
先行きを見ると、9月下旬の4連休は航空機の搭乗率や長距離列車の乗車率はかなり高水準だったものと報道されており、10月からは東京都もGoToキャンペーンの対象となることが検討されているとのことで、経済活動はおだやかに回復に向かうでしょう。ただ、急激な社会経済活動の正常化は感染症の再拡大を招くおそれもあります。完全失業率の上昇や有効求人倍率の下落など雇用環境の悪化見通しが発売戸数回復の妨げとなることもありそうです。