首都圏マンション市場 2020年2月

不動産経済研究所の⽉次データの発表です。

⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で▲35.7%の1,488戸でした。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は59.3%で先月より下落し、好不調の分かれ目と⾔われる70%を6か月連続で下回りました。1⼾当たり価格は6,536万円、㎡単価は97.4万円でそれぞれ前年同⽉⽐+3.9%、+6.9%となりました。

数量ベースが大幅減、一方価格ベースのデータ(総額・単価)が上昇ですので、強弱入り混じった数字です。

日本経済の直近の動向を見ると、内閣府が発表した2019年10-12月期のGDP成長率が▲6.3%になるなど去年から景気が減速していることが確認さていたところ、2月に入ってからは新型コロナウイルスの影響で観光客が大幅に減少するなど、事業活動や国民生活に影響が出始めています。

このような環境下で売上が低迷するインバウンド関連企業を中心に、社員の一部解雇や自宅待機要請の動きがみられるなどマンション需要者層の雇用・所得環境が悪化しており、高額なため長期の返済を要する住宅ローンを利用してのマンション購入には向かい風となっているものと思われます。

新型コロナウイルスの感染拡大は自然現象のため収束時期など将来の予測は困難ですが、データとしては契約率が好不調の目安とされる70%を超えられるかどうか今後も要注意です。