首都圏マンション市場 2021年1月

不動産経済研究所の⽉次データの発表です。

⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で+7.1%の1,325戸でした。2ヶ月連続の増加です。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は68.1%と好不調の分かれ目と⾔われる70%を下回っていますが、前月よりは上昇しています。1⼾当たり価格は5,824万円、㎡単価は87.1万円でそれぞれ前年同⽉⽐▲30.6%、▲31.0%の下落です。

数量は増加、価格(総額、単価)は下落です。

1月7日には首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発出されその影響が懸念されましたが、休業・時短営業の要請は飲食店が中心で新築マンションのモデルルームは閉鎖されずそのまま営業を継続したところが多かったようで、インターネットを使ったオンライン見学なども併せて活用するなどの工夫もあり戸数は 増加しています。

一方、テレワークが定着する中で購入層の関心が都心から郊外に向かったために販売価格は下落しています。

先行きを見ると、自粛疲れにコロナワクチンの接種が始まったことなどが相まって緊急事態宣言の効力が薄れてきているという指摘があり、結果として社会経済活動の正常化の流れは緊急事態宣言が発出されても変わらないという見方も台頭してきていますし、雇用環境が悪化すれば自宅が賃借であっても不安は伴うので低金利下で購入しておいた方が良いという心理も働き、より低価格帯の郊外物件への需要は今後も持続すると思われます。