住宅着工戸数 2021年1月

住宅着⼯⼾数データ

1⽉の住宅着⼯⼾数は58,448⼾で前年同⽉⽐▲3.1%、季節調整済年率換算では前⽉⽐+2.2%でした。

このデータはさらに「利⽤関係」によって内訳が示されています。

前年同⽉⽐季節調整済
前⽉⽐
持家+6.4%+2.4%
貸家▲18.0%▲5.8%
分譲住宅+6.9%+15.2%

前年同⽉⽐で見ると持家は3か⽉連続の増加、貸家は29か⽉連続の減少、分譲住宅は15か月ぶりの増加です。分譲住宅については前年同月比データのみ分譲マンション・分譲一戸建住宅の内訳が公表されており、マンションが+29.3%、戸建住宅が▲6.1%でした。

データの⾒⽅

前年同月比で見ると持家が3か月連続で増加したものの貸家は2年以上も減少が続いています。また、分譲住宅はマンションが大幅増となっています。よりトレンドの変化を素早く反映する季節調整済前月比では持家、分譲住宅が増加、貸家は減少です。

1月の着工分は契約が昨年11~12月のものが中心となり、前年同月比で比較対象となる2020年1月の着工は消費税増税前の2019年10月から消費税率が10%に引き上げられた後の10月以降の契約を含むことから、比較ベースが下がってきています。

結果として、前年同月比は持家・分譲住宅がプラスで貸家がマイナスです。特に分譲住宅のうちマンションは大幅増です。

利用関係別では、持家については金融緩和の状態が継続する中、雇用環境が悪化すれば自宅が賃借であっても不安は伴うので低金利下で購入しておいた方が良いという心理も働き、より低価格の郊外の土地を購入して持家を建築するといった需要は今後も持続すると思われます。

貸家は同じコインの裏側で、上記の通り新型コロナウイルスによる収入の減少で賃料が支払えなくなるリスクを考慮すると住宅ローンを借りて持家を取得してもリスクは変わらないという考え方が広がってくると市場が相対的に縮小することになり、季節調整済前月比でもマイナスに転じています。

分譲住宅は特にマンションの回復が顕著で、持家と同様に雇用環境が悪化すれば自宅が賃借であっても不安は伴うので低金利下で購入しておいた方が良いという心理に加え、テレワークが定着する中で低価格の郊外物件に需要が認められることからマンション開発業者が新規着工を進めているものと考えられます。

以上をまとめると、データとしては持家・分譲住宅は環境が改善、貸家は依然厳しい状況です。