首都圏マンション市場 2020年11月
不動産経済研究所の⽉次データの発表です。
⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で▲15.3%の2,790戸でした。先月は比較対象となる前年同月の2019年10月が消費税率の引き上げの影響で落ち込んだから反動で大幅上昇となりましたが、今月は3か月ぶりの下落です。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は58.1%と低迷し、好不調の分かれ目と⾔われる70%を下回りました。1⼾当たり価格は5,922万円、㎡単価は90.3万円でそれぞれ前年同⽉⽐+8.3%、+11.8%と上昇です。
数量は減少、価格(総額、単価)は上昇です。
日本経済の直近の動向を見ると、インバウンド景気を牽引してきた訪日外国人旅行者は10月は▲98.9%で少しずつ回復してはいますが依然厳しい状況です。飲食店・宿泊業者などはビジネスモデル転換の試みなどに加え、GoToトラベル、GoToイートなどの施策により需要は全面的とはいえなくとも徐々に回復に向かっていますが、新型コロナウイルスの感染者数は増加しており政策転換への圧力も強まりつつあります。
契約率は先月より大幅に下落しています。
先行きを見ると、GoToキャンペーンの中段などの意見が報道されており政策面での後退も視野に入りつつあります。急激な社会経済活動の正常化は感染症の再拡大を招くおそれもあり、完全失業率の上昇や有効求人倍率の下落など雇用環境の悪化見通しが発売戸数回復の妨げとなることもありそうです。