首都圏マンション市場 2020年10月
不動産経済研究所の⽉次データの発表です。
⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で+67.3%の3,358戸でした。大幅上昇となったのは、比較対象となる前年同月の2019年10月が消費税率の引き上げの影響で落ち込んだからです。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は70.4%で先月より下落しましたが、好不調の分かれ目と⾔われる70%を上回りました。1⼾当たり価格は6,130万円、㎡単価は95.3万円でそれぞれ前年同⽉⽐+2.3%、+4.3%と上昇に転じました。
数量、価格(総額、単価)とも上昇です。
日本経済の直近の動向を見ると、インバウンド景気を牽引してきた訪日外国人旅行者は9月は▲99.4%で依然厳しい状況です。ただ、飲食店・宿泊業者などはビジネスモデル転換の試みなどに加え、GoToトラベル、GoToイートなどの施策により需要は全面的とはいえなくとも徐々に回復に向かっているようです。
契約率は先月よりやや下落したものの、70%を上回っています。
先行きを見ると、GoToキャンペーンの継続、新たな給付金の検討などの意見が報道されており政策面での後押しが期待されます。一方、急激な社会経済活動の正常化は感染症の再拡大を招くおそれもあります。完全失業率の上昇や有効求人倍率の下落など雇用環境の悪化見通しが発売戸数回復の妨げとなることもありそうです。