首都圏マンション市場 2020年1月

不動産経済研究所の⽉次データの発表です。

⾸都圏での新築マンションの発売⼾数は前年同⽉⽐で▲34.5%の1,245戸でした。契約率(発売したマンションが成約に⾄った率)は63.0%で先月より上昇したものの、好不調の分かれ目と⾔われる70%を5か月連続で下回りました。1⼾当たり価格は8,360万円、㎡単価は126.2万円でそれぞれ前年同⽉⽐+47.9%、+55.2%となりました。

数量ベースが大幅減、一方価格ベースのデータ(総額・単価)が都内の高価格帯大型物件の影響で大幅増となりデータの存在する1973年1月以来最高ということで、やや例外的な月となりました。

そこで日本経済の直近の動向を見ると、1月の輸出が14か月連続の減少で特に対中国・米国の減少が目立っています。また、1月の月例経済報告では設備投資の判断が下方修正されるなど、景気の牽引役となってきた外需と設備投資に陰りが見られます。

このような環境下で、国内大手の飲料メーカーや小売業者が希望退職者募集に踏み切るなどの雇用調整が将来の所得環境に対する不安を生み、これが住宅ローンを組んでマイホーム購入をためらうという状況が販売に影響を及ぼしている可能性は否定できません。

また、コロナウイルスの影響で各種イベント・キャンペーンが中止・延期になるなどしており、これがマンションショールームへの出足に影響する可能性もあります。

契約率がこのまま回復基調をたどりマンション市場の好不調の目安とされる70%を超えるかどうか、今後も要注意です。