首都圏マンション市場 2019年4月

不動産経済研究所の月次データの発表です。

首都圏での新築マンションの発売戸数が39.3%減でした。契約率(発売したマンションが成約に至った率)も64.3%と好不調の分かれ目と言われる70%を下回りました。
一方、1戸当たり価格は5,895万円、㎡単価は9.1万円でそれぞれ+6.3%、+16.4%でした。

数量ベースのデータがマイナス、価格ベースのデータがプラス、ということですので強弱入り混じった感があります。

4月末からの大型連休が影響したという意見もありますし、米中貿易摩擦に起因する将来見通しの不透明感も需要に影響していると思います。

気になるのは投資用不動産に対する不正融資問題の影響で金融機関が個人向け不動産融資全般について慎重姿勢に転じているのではないかという点です。

「新築分譲マンションの需要は自己居住目的の取得がメインだから投資用不動産に対する融資姿勢とは関係ないだろう」という意見もあろうかとは思いますが、自己居住目的物件に対する融資として住宅金融支援機構が提供する長期固定型住宅ローンの「フラット35」が投資用物件の取得に不正利用されていたとの報道があり、金融機関各社が「自己居住目的」と称して実は「投資目的」ではないか、という点について実行済み融資の再チェックと新規融資申込の与信審査の厳格化に向かう、あるいは既に向かっている可能性があります。

新築マンションに限らず不動産は高額ですのでローンの利用が一般的であり、新規融資の流れが滞り始めると住宅市場が変調する可能性もありますので動向を注視する必要があります。